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  • 第2回婚活シンポジウム 「少子化・未婚化時代」におけるパートナーシップのあり方 開催レポート

スペシャルトークセッション多様化を認める社会にするには

多様化を認める社会にするには
残間さん
モデレーター残間さん

今の時代の流れ方や、トレンドはどの方向に向かっているのか、どのように変わっていくのかを各分野の第一人者から
率直にご意見していただきたい。結婚だけに軸足を置かず広い議論になればと思う。

なぜか日本には「標準化された家族図」が存在する

筒井さん
筒井さん

「家族の見方について、バランスが悪く感じる。
重荷と感じていたり、天国だと言っていたり、極端すぎる。」

日本は伝統的な家族のあり方として、父親が働き、母親が家事、育児、介護をする家族を「標準家族図」として
メディアやTVがあらわすことがよくある。
しかし、データを見るとその標準にマッチすることがあまりない

諸外国、先進国では比較的長い期間、専業主婦家庭時代があったが、日本は短期間しか専業主婦時代が
マジョリティだった時代がない。
1960年代までは、農業や自営業で共働きが多く、専業主婦家庭があまりなかった。
専業主婦家庭が一番多かった70年代でも5割程度。
1980年代になると経済が鈍化、不安定になり、男性があまり稼げなくなる一方で子供の高学歴化が進んだため
主婦パート進出が増えた。
1990年代には、家族からの逃避、家族をつくらない、あるいは家族は後回しになっていった。

一方、諸外国は専業主婦の時代は非常に長かった。
オランダを例に挙げると、1970年代は小さな子供がいて有償労働をしている女性は1割にも満たなかった。
極端に女性が働かない国、極端な「性別分業家族」だった。

標準といわれているものは、標準ではなかった。
それなのに、現代の日本では、「標準化された家族図」を持っている

残間さん
モデレーター残間さん

標準家族と聞くと、国際家族年のポスターを思い出す。
父、母、子供が二人、女の子がピンクをきて、男の子がブルー、おじいさん、おばあさんがいて猫と犬が一匹ずついるといったカタチがあまりにも固定的で一部で問題になったことがあった。

昔は「家族」「結婚」のカタチは多様だった。

昔は「家族」「結婚」のカタチは多様だった。
筒井さん
筒井さん

かつては、家は経済活動を行う場であり、家こそが経済の拠点。
経済のカタチに合わせて家族のカタチも多様になっていた。
典型的なのは、家に家族以外の家事使用人、職業使用人、
大正時代までは10件に1件くらいの割合で親族以外の人が住んでいた。
もしくは、親戚の子供が家に下宿していたり。そういった家があれば、ない家もあり。
今から考えれば昔の方が非常に多様だった。また、その時代は非常に長かった。

ところが、近代化の中で多様な家族、世帯のカタチが標準化されていく。
お父さんがいて、お母さんがいて、子供がいる核家族。
私たちが強く「家族」と思い込んでいるカタチ。

しかし、シングル親家庭、単身者が増えているなど最近多様化している兆しがある

元々、多様なのが当たり前で、何らかの特殊な条件(経済成長率が高かった、人口も若かったなど)がそろって標準的な家族のカタチが多様になっていた。