マッチングアプリは安全なのか?IBJと考えるリスク回避術
気軽に出会えるマッチングアプリは、いまや出会いのツールとして一般的になっています。ただ相手の素性が確かなのか、個人情報が流出してしまわないか不安…という人もいるかも知れません。そこでIBJ代表・石坂茂と婚シェル(コンシェル=婚活カウンセラー)のたなかが、婚活アプリ「ブライダルネット」での事例も参考にしつつ、より安心して出会いを楽しむリスク回避術を教えます。
参考:おすすめのマッチングアプリはこちら(有料・無料主要アプリをまとめた記事です)
目次
- 1マッチングアプリ利用時にはどんなリスクがあるのか
- 2マッチングアプリ利用時に気をつけたい4大リスク
- 3リスク回避1:メッセージのやりとりに本人確認が必要なサービスを利用する
- 4リスク回避2:インターネット異性紹介事業届出が確認できる/上場企業のサービスを利用する
- 5リスク回避3:好条件すぎる相手の性急なアプローチは怪しいと心得る
- 6リスク回避4:通報・相談できる体制の整ったアプリを選び、不安を感じたらすぐ運営に知らせる
- 7リスク回避5:海外経験が自己紹介にないのに、日本語が不自然なユーザーは詐欺の可能性あり
- 8リスク回避6:いい感じになった相手とは、友人や家族と会うようにする
- 9メモ:マッチングアプリ利用時に心がけたいチェックリスト6つ
- 10あなたに合ったマッチングアプリ・婚活サービス選び
マッチングアプリ利用時にはどんなリスクがあるのか
ーー石坂さん、オンラインで知らない相手と出会って交際する場合、気をつけなければいけない点はありますか?
石坂:この記事では、「真摯な出会いを求めているのではない、利益目的の相手とつながってしまうこと」を「リスク」と定義します。リスクには大きく分けて4種類あります。
マッチングアプリ利用時に気をつけたい4大リスク
業者リスク
自身で運営するお店へユーザーを送客するために、業者が従業員をアプリに登録させているケースがあります。セキュリティ対策をしっかりしているアプリでは、運営側のパトロールによって、比較的早期にアカウント削除や会員資格喪失等の対応をしている場合が多く見られます。
詐欺・ネットワークビジネスリスク
ネットワークビジネスの会員集めや情報商材の販売網を広げるためにアプリ登録している人もいます。また日本人ユーザーから利益を得ようとする「国際ロマンス詐欺」目的のケースも。後述する「リスク回避5」の項目でご紹介した知識があれば、比較的見分けやすいと思われます。
サクラリスク
・ユーザー数を増やす
・メッセージのやり取りに課金させる
・関連サービスに誘導する
などの目的で、報酬を支払ってサクラを雇う悪質な出会い系オンラインサービスもあります。近年は個人認証の厳格化、月額制の登場などで被害が減ってきています。
遊び目的・既婚者リスク
これはアプリに限らず、見ず知らずの相手と恋愛を始める場合に共通のリスクですが、「実は既婚者」「本当は結婚する気がないのに遊ぶ相手を見つけるために登録している」といった相手とマッチングしてしまうこともあります。後述する「リスク回避6」での対策を参考にしてください。
リスク回避1:メッセージのやりとりに本人確認が必要なサービスを利用する
石坂:スマホで簡単に本人確認ができる時代になりました。マッチングアプリでも、本人確認書類を提出して認証されるとバッジがつく等、ユーザー側にも目に見える安心感を提供しています。まずはこういった本人確認がしっかりしているアプリを使うと、身元を偽る必要のある業者リスクや詐欺リスクなどは格段に減らせますね。
最近では、本人確認書類の提出はもちろん、金融機関でも使われている、生体認証技術を生かしたeKYCシステムを使って本人であることを確認しているサービスも増えるなど、本人確認技術の信頼性は日々進歩しています(※1)。
様々な角度からの自撮りデータ、免許証などの提出書類の厚さや写真との照合など数種類のデータを元に本人確認を行うeKYCシステム
ーーIBJではどのような対策をしていますか?
たなか:当社の運営するブライダルネットでは、気になったお相手にメッセージを送るには運転免許証など写真付き公的書類でお名前、生年月日などの確認を必須とさせていただいています。ぼかしや塗りつぶしなしの状態の証明書類を専門部署のスタッフが目視で確認するので、確実性は高くなっています。これに加えて2022年8月以降、登録する際に電話認証による本人確認をお願いしております。電話番号1回線につき1人が登録となるので、婚活以外の不正と思われるユーザー登録は目に見えて減りましたね(※2)。
ーー個人情報の管理が心配な方もいると思いますが…。
たなか:ブライダルネットでは専門部署で確認したデータは一定期間で自動削除の対策を取っているので、個人情報リストの流出などのリスクは低く、安心して提出していただけるかと思います。そのほかの独身証明、学歴証明、年収証明は任意提出となっています。こういった資料も提出して、より安全・信頼性を高めたいと希望される方は、結婚相談所に行かれることが多いですね。
リスク回避2:インターネット異性紹介事業届出が確認できる/上場企業のサービスを利用する
石坂:マッチングアプリは事務所所在地を管轄する警察署にインターネット異性紹介事業の届出が必要です(※3)。「TRUSTe」「JAPHIC」などのより厳しい個人情報保護認証のマークを受けているアプリも増えていますね。利用前に、会社概要をチェックするといいと思います。
さらに上場企業かどうかも私は重要ではないかと思っています。上場企業には、守らなくてはならないルールがたくさんあり個人情報の取り扱いも非常に厳格です。万が一、詐欺の温床になっていたり、個人情報が流出した場合、事業継続に支障が出るため、本人確認を厳格に行い、リスク因子の排除を徹底しています。
リスク回避3:好条件すぎる相手の性急なアプローチは怪しいと心得る
たなか:ブライダルネットでは怪しいと思ったらすぐに私たち婚シェルに相談をするようにお伝えしています。公式サイトで「悪質ユーザーの見分け方」をお伝えしています(※4)。ユーザーが不安を感じた時に第三者が介入して適切に対応するサポート体制があることも重要ですね。
ーー中でも多いのはどういう相談でしょう。
たなか:男女ともに「すごく条件が良い相手が気に入ってくれてすぐに外部のSNSでやり取りをしたいと急かしてきますが、大丈夫ですか」というご相談が一番多いですね。詐欺など利益目的の不正ユーザーに多い行動パターンです。
一般のユーザーでも、男性側からぐいぐいアプローチをすることは多いのですが、女性側からはあまり多くありません。特にあまりプロフィールや写真が充実していない段階で、女性から「かっこいいですね」「もっとあなたのことが知りたい。ほかのメッセージアプリやSNSのDMで連絡できませんか?」といった誘いが来たら、要注意です。
リスク回避4:通報・相談できる体制の整ったアプリを選び、不安を感じたらすぐ運営に知らせる
たなか:ブライダルネットでは、マッチングをしたらサイト内でメッセージ交換ができますが、やりとりが5往復にならないと個人の連絡先(電話番号やほかのメッセージアプリのIDなど)はお伝えしてはいけないルールになっています。このルールを守ることは運営側が第三者としてお客様をリスクから守る面でも大切です。
ほかのマッチングアプリでも同様の対策をしているところがあります。
たなか:汚い言葉や隠語などの表現をNGワードと設定し、送れないように日々改善しています。またご相談を受けたら、運営側がお客様間のメッセージを確認し、ルール違反がないか、運営側に提出済みの個人情報と話す内容に食い違いがないか、過去同様の問題を起こしていないかなどを確認し、問題がある場合、注意喚起や、場合によっては最新の本人確認書類を再び登録するまで、利用停止となります。
最近では他のアプリも同様に対策しているところも増え、日々不正利用がないように改善していますね。
石坂:投稿監視の専門業者に依頼して監視体制を強化するなど、安心安全に使っていただくための取り組みを日々向上させています。たとえば通報・ブロック機能や相談窓口などがあり、不安を感じるユーザーがいたら、運営側に誠実に対応する体制があるかどうか。ここが何よりも重要ですよね。カスタマーサポートの質が問われていると思います。
ーー即座に悪質ユーザーと判断できない場合もありますよね。
たなか:こちらが「まだ不安だから会うのは控えたい」「LINE交換はまだ早いと思う」と言っているのに、相手方が「いや、でも会わないとわからないよ」「交換だけならいいでしょう」と強引で戸惑っているというご相談には、「長い目で見てあなたと人生をともにできるパートナーになりうる方でしょうか?」とお伝えしています。
ーーなるほど、価値観がすべて一致する方はいないですから、自分の言い分だけを通そうとする人とパートナーになるのは辛いですよね。
たなか:はい。結婚には2人で決めることがたくさんあります。意見を出し合って、お互いが納得の行く形で合意しようとせず、自身の希望を強引に押し付ける方とは、どんな経路で出会っても一緒に生活していくのは難しいのではないでしょうか。そうお伝えすると、相談した方も「そういう観点で誠実に自分と向き合ってくれる人を選べばいいんですね」とご納得いただけます。
リスク回避5:海外経験が自己紹介にないのに、日本語が不自然なユーザーは詐欺の可能性あり
ーー「悪質ユーザーの見分け方」に「不自然な日本語」とありましたが、どのようなケースですか?
たなか:特に違和感のない日本人のプロフィールなのに、メッセージでやり取りを始めると途端に翻訳したような不自然な日本語を使うユーザーは国際ロマンス詐欺の疑いがあります。
国際ロマンス詐欺とは?
外国人らを名乗り、交流サイト(SNS)やマッチングアプリで知り合い、顔を知らない相手に好意を抱かせ、投資を勧めて多額を振り込ませ、だまし取る手法。被害額は昨年一年間の総額を超えた(※5)。
外国人の方や、海外生活が長いのなら、プロフィールにははっきりそう書いてあるはずなのに書いていない。ご相談を受けてメッセージのやり取りを調べたら、運営側が把握している本人確認書類と違う名前、年齢で自己紹介をしている場合もあり、利用停止にしています。
リスク回避6:いい感じになった相手とは、友人や家族と会うようにする
石坂:気軽に登録でき、自分で一歩一歩段階を踏んで相手との信頼関係を築き、プロフィールを完成させていくのがマッチングアプリの醍醐味の一つでもあります。結婚相談所のような独身証明などの提出がない分、素性を確かめるには「第三者の客観的な目」で補うことが大切です。
いい感じで相手と交際が進んだら、次は友人や家族と引き合わせる機会を作るといいと思います。あなたを大切に思っている人なら、きっとパートナーになる人も冷静な目で見て判断してくれるのではないでしょうか。
メモ:マッチングアプリ利用時に心がけたいチェックリスト6つ
本人確認がしっかりしたサービスを利用しよう
登録前にインターネット異性紹介事業届出/上場企業かどうかを確認しよう
好条件すぎる相手のぐいぐいアプローチには要注意
不安を感じたらすぐに通報・相談できるアプリを選ぼう
海外経験が自己紹介にないのに、日本語が不自然なユーザーは詐欺を疑おう
いい感じになった相手とは、第三者を交えて会うようにしよう
解説:石坂茂(いしざかしげる)
株式会社IBJ 代表取締役社長
株式会社日本興業銀行を経て、2001年、日本初インターネット専業で結婚情報サービスを展開する、ブライダルネットの代表取締役社長に。2006年、株式会社IBJを設立し、2012年に、東京証券取引所JASDAQ市場へ上場。(現在は東証プライム市場)2021年には、日本の婚姻組数501,138組の約2%にあたる年間10,402組のカップルがIBJを通じて結婚。
解説:たなか
マッチングアプリ「ブライダルネット」婚シェル
「真面目で誠実な出会い」をコンセプトとしたIBJの婚活アプリ「ブライダルネット」で、プロの婚活カウンセラー「婚シェル」として会員様をサポート。婚活される方が前向きな気持で活動できるように本音をヒアリングすること、そして状況や気持ちに寄り添った活動サポートを心がけている。
出典/参考記事
1.一例:Omiai 「LIQUID eKYC」導入
2.ブライダルネット 電話認証による本人確認
3.警視庁(東京都)の例 インターネット異性紹介事業
4.ブライダルネット 悪質ユーザーの見分け方
5:中日新聞 国際ロマンス詐欺増加、外国人名乗りSNSで甘言
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あなたのライフスタイルやテイストに合ったマッチング選びや婚活サービスの選び方を、以下のコンテンツでご紹介しています。
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