特集記事
特集記事
2022.11.16

マッチングアプリはいつから流行った?婚活業の歴史【昭和~令和時代】

前編では結婚相談所の黎明期からマッチング業のなりたちを見ていきました。後編ではいよいよスマホ時代、マッチングアプリが登場し、利用者の爆発的増加に至る現代までの流れをIBJ代表・石坂がご紹介します。

参考:おすすめのマッチングアプリはこちら(有料・無料主要アプリをまとめた記事です)

掲示板サイトから「オンラインで自力の恋人探し」がスタート

ーーインターネットの普及でマッチング業界は変わりましたか?

大きく変わりました。1996年から「Yahoo!JAPAN」が普及するにつれ、掲示板での出会いが爆発的に広まっていきました。出会い系サイトも増え、オンラインでの恋人探しが一般化していきました。

そこで私は2000年に、日本初のインターネット専業結婚情報サービスとして、「ブライダルネット」を創業し、結婚相談所と比べてオンライン上で10分の1ほどの価格で出会える仕組みは大きな反響がありました。ただ、成婚にまで至る率はさほど高くなかったのです。

そこで気づいたのが、日本の伝統的な「仲人さん」たちのすごさです。「うちに入会した方の8割は結婚しますよ」と豪語する結婚相談所のベテラン仲人さんたちが実在し、その業態を学ぶにつれて、大きな可能性を感じました。結婚は大きな人生の決断です。その過程で、データだけではない人によるマッチングとサポートがとても重要な役割を担っているのだと実感したのです。

株式会社IBJ 代表取締役社長 石坂茂

2006年にIBJを設立すると、個人事業として地域に根づいていた仲人さんたちの結婚相談所も一軒一軒お声がけし、日本最大級の結婚相談所ネットワーク「日本結婚相談所連盟」を組織しました。ライフスタイルや価値観が多様化し、お客様に合った出会い方もさまざまです。そこでIBJは、結婚を目的・目標としたマッチングサイト、結婚を視野に入れたパーティー・イベント、結婚相談所などを多角的に運営する、総合プラットフォームカンパニーとなりました。

待たないで外へ繰り出そう!「婚活」時代の幕開け

ーー「婚活」というキーワードが出てくると、結婚相手探しのイメージが変わりましたね。

 

2008年に出版された「『婚活』時代」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本がきっかけです。「婚活」というキーワードの誕生によって、結婚相手を探すことが人目をはばかるものではなく、就活などと同じように、自分の将来のために能動的に取り組むもの、という意識が広がりました。

新たな黒船「マッチ・ドットコム」が日本上陸。出会いはオンライン化へ

ーー結婚したいなら、自力で恋愛偏差値を上げていかねばならない時代なのですね。

そうだと思います。そんな中、新たな黒船が海外からやってきました。婚活ブームが始まると同時に、アメリカで爆発的な人気を誇っていたマッチ・ドットコムが、2007年に日本法人を立ち上げたのです。

相手に求める条件だけでなく、過去のデータや行動履歴から相性の良さそうな相手をレコメンドしてくれるサービス・「Match.com(マッチ・ドットコム)」は世界的にも人気でした。今ではアメリカ人の4%がマッチ・ドットコムがきっかけで結婚しているといいます。

気軽にお相手を探すことから始めるので、真剣に結婚相手を探す目的とは違う部分もありますが、多様な出会いを望むユーザーには今も人気があります。

2012年〜14年にマッチングアプリ3強が誕生。アプリ戦国時代へ

ーーそしていよいよ、マッチングアプリの時代に突入します。

スマホの登場は大きかったですね。2012年に「Pairs(ペアーズ)」、2014年に「tapple(タップル)」、「with(ウィズ)」と、「マッチングアプリの3強」が相次いでサービスを開始し、どこでも手軽に婚活がスタートできるようになったのです。
参考:マッチングアプリをおススメする理由

ただ、アプリだけでは結婚には至れない人もいます。そしてコロナ禍以降はリアルな出会いが減っていることで、婚活サイト、結婚相談所も再び利用者増の傾向に転じました。いわゆる「自然な出会い」は減っても、結婚を望む人たちが婚活の入り口として、まずアプリから始めるのが当たり前の時代に入ったのです。

 

街コンやバスツアーなどの官製婚活、お寺婚活なども一般化

ーーリアルの世界では、自治体による「官製婚活」や、街コン、お寺での婚活など、ローカルな結婚仲介の取り組みも行われていますね。

地方都市では、いま人口減に悩んでいます。ストロー効果といわれるように、各エリアの大都市に就学や就職で出てしまった若者が吸い取られ、地元に戻らない。特に「家」の重圧を逃れて自由を求める女性たちが、地元に戻ることを敬遠するので、各自治体では結婚・出産するカップルを定着させようと頑張っています。

ーーどのような施策があれば若者が地方に帰って結婚するのでしょう。

移住とセットで考えねばいけませんよね。地方エリアは子育て環境や住環境の質、結婚することによる幸せ度が高いところが多いので、まず若い人が魅力に感じるような「職場」「企業」を地域に増やすこと、Uターン婚活、Iターン婚活に継続的に取り組むこと、これに尽きると私は思います。

国全体も少子化に危機感を持っているのなら、今以上に結婚支援や家事や子育てを行政がサポートしていく施策も大事です。

 

ニッチなニーズに応えたサービスも。今後の業界の行方は?

ーーマッチング業界は今後どの様になっていくでしょう?

婚活サイトやマッチングアプリを運営する各社が広告をうち、一般認知度が高まったことでよりサービス利用のハードルが低くなりました。今では投資家やファンドもこれらのサービスに注目しています。

これまでの傾向では、現在市場で認知されている大手のサービスでも、ユーザーとともに年を取っていきますが、世代交代の中で共通の話題やコニュニティ活動を含めた新サービスも増えています。たとえばゲームを介して相手と出会えるアプリや、好きな飲食やイベントを一緒に楽しむ相手を探すアプリなど、痒い所に手が届くマッチングアプリも話題です。

選択肢は広がっています。従来型の家庭モデルに縛られる必要もありません。「このサービスは違うかな」と思ったら、違うアプリ/出会い方も試してみてください。あなたにマッチしたサービスを選んで、ぜひ婚活に成功していただければと思います。
 

あなたに合ったマッチングアプリ・婚活サービス選び

Pick up ― 特集記事 ―
Latest ― 新着記事 ―
\ IBJの最新情報をチェック! /
PAGE TOP